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欧米を中心に新しいHIV予防法「PrEP(プレップ)」が世界各地で広がっている。GENXYでも何度か紹介してきたので知っている人も多いはずだ。しかし「PEP(ペップ)」について正しく知る人は少ない。今回はあまり知られていないPEPについて、国内のPEPの先駆けとして知られる、東京・新宿の「あおぞらクリニック」の内田理事長に話を聞いた。もしリスクの高い行為(ゴム無しセックス)をしたことがある人は必読だ。Sponsored by あおぞらクリニックEditor : Makito UechiPhoto:EISKEそもそも「PEP」と「PrEP」の違いとは?「PrEP」と「PEP」は名前が似ているため混同しやすいが、目的や使用方法は全く異なる。まとめると以下。PrEP→セックスする”前”に薬を飲むこと薬:ツルバダ1錠飲み方:基本的に毎日服用効果:HIV感染を90~100%近く防げるPEP→セックスした“後”に薬を飲むこと薬:ツルバダ1錠+アイセントレス2錠飲み方:HIV感染の危険があるセックス後、72時間以内に薬を飲む。それを28日間継続して飲み続ける。効果:HIV感染を90%以上防げるどちらも同じHIV予防法だが、PEPはリスクの高い行為(生でセックスをした等)の後に服用するもの。そして、PrEPとPEPでは使用する薬が異なるのも知られていない。PrEPではツルバダという薬を毎日1錠飲むが、PEPではツルバダ+アイセントレスという薬を合計3錠を飲むことで、HIV感染から守ってくれる。内田理事長は、「元々PEPは医療現場での針刺し事故によるHIV感染を防ぐ目的で行われてきました。(効果は90%以上といわれるが)PEPを処方した中で、いまのところHIV感染は確認されていないですね」と、確かな効果があると話す。PEPをする流れとは?PEPをする際には、HIV、B型肝炎にかかっていないか血液検査と、腎臓の機能をチェックする必要がある。内田理事長「行為から72時間以内というタイムリミットがあるので、我々も急いで血液検査をして処方するようにしています。スピード勝負ですね」2017年6月よりPEPを実施している「あおぞらクリニック」は、PEPの先駆け的な性病クリニックだ。2年間でのべ100人以上がPEPを受けたという。気になるお値段だが、28日間の薬剤費込みでなんと31万円…!!(税別)。かなり高額で非現実的なように思えるが…PEPは日本で承認されていない自由診療であり、そもそも薬が高価なのが原因だという。「はい、正直に高いと思います。そもそも薬の値段が高価なんですよね…。値段的にはACCさん(国立エイズ治療・研究センター)で行なっているPEPの金額と同じです」PEPでは、使用する薬(ツルバダ1錠+アイセントレス2錠)で1日約1万円ほど、そして28日間飲み続ける必要がある。ちなみに、PrEPではジェネリック品を個人輸入している人も増えているが、PEPでそのような安価な方法はないのだろうか?「安い海外のジェネリック品もありますが、当院では患者さまの安全性を第一に考えて、国内で認可されている正規品しか扱わないスタンスですね」そもそもPrEPは日本で承認が下りていない予防法なので、使用する人の自己責任になる。クリニックのような医師管轄のもとでPrEPやPEPを実施する場合、よりリスクを抑える意味でも正規品を使っているそうだ。PEPは高額な予防法ではあるが、もし危険な行為をしてしまった際に「PEPという選択肢」を知っていると知らないのでは大きく違うだろう。全国でも珍しい「アナルの性病」まで!ゲイたちの性の健康をサポート同クリニックでは、PEP以外にも『MSM外来』と名付けたゲイ・バイ男性の性病に特化した外来を行なっている。ゲイたちがかかりやすい性病といえば、HIVをはじめとする、梅毒、クラミジア・淋菌、A型肝炎がある。特に注目なのが「アナル(肛門)の性病」を調べられる点だ。ゴム無しでアナルセックスした場合、アナル内にクラミジア・淋菌に感染する可能性があるが、それらを調べられるクリニックはほとんどない。内田院長はもともと肛門科医だったこともあり、アナルに関するトラブルに精通しているそうだ。内田院長「(アナルにクラミジア・淋菌ができると)粘膜のバリアが薄れて、HIVなど他の性病に感染しやすくなります。また、粘膜には痛覚がないため、感染しても気づかない人が多いですね」また、性病の中でも、採血でわかる病気(梅毒、HIV、A・B型肝炎など)は検査精度が高いが、クラミジア・淋菌は簡易検査では検出できないこともあるそう。そこで同クリニックでは、クラミジア・淋菌を即日かつ高精度で検査できる「精密検査」を12月中旬からスタートする予定だ。(国内の性病クリニックでは極めて珍しい取り組みだそう)もしアナルに違和感があっても、「肛門科に行ってゲイバレするのが怖い…」といった人は多い。そのまま放置すると悪化する可能性だってある。その点「あおぞらクリニック」は、医師もスタッフも全員ゲイフレンドリーなので、性病について気軽に相談できるのがいい。内田院長「当院はゲイフレンドリーなクリニックではありますが、患者さんに”必要以上のことを聞かない”というスタンスです。もちろん患者さんから(セクシュアリティについて)話があれば、しっかりと相談してアドバイスさせていただきます」ゲイたちにとって大事なセックス。しかし、楽しいセックスライフには定期的なHIVや性病検査は必要不可欠だ。「あおぞらクリニック」では、PrEP・PEPといった最新のHIV予防法から、さまざまな性病検査、ワクチンに至るまで、幅広くゲイたちの性の健康をサポートしている。もし気になる人は足を運んでみて。あおぞらクリニック 新宿院東京都新宿区新宿3-18-1 しんじゅく一色ビル6F03-3353-8800/あおぞらクリニック 新橋院東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル3F03-3506-8880あおぞらクリニック公式サイト