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被害者のドラマツルギー ―成人を迎える皆さんへ―

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Written by 英司(コラムニスト)

 

 

新年明けましておめでとうございます。2016年もよろしくお願いします。さて、1月は正月明けから早速3連休がありますね。この日は大阪で開催されるゲイイベント、NUDEが楽しみで頭がいっぱい!な人もいらっしゃるでしょうが、今回は少し真面目なお話を。

 

この3連休は一体何の日かと言ったら、皆さんもご経験がある、もしくはこれから経験するであろう成人式が行われる日です。

 

今日はこれから成人を迎えられる皆さんや、近年迎えた、もしくは迎える予定の若い皆さんに向けた、オッサンからのメッセージを贈りたいと思います。

 

 

同性愛者を「被害者」とする言説について

 

みなさんは、こんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

「同性愛者は差別されている」「同性愛者はかわいそうだから救われるべき存在だ」「社会に出ると職場等で差別が待っている」「同性愛者は結婚ができないから孤独死をする」…

 

確かに私たちは、特に小さい頃などに周囲の人の口から同性愛者をバカにしたり、気持ち悪いと怖がったりする言葉を聞いてきましたし、そういった言動に傷つく人たちを少しでも減らしていかなければなりません。

 

差別的な言動を見聞きしてきたせいで、なかなか自分を受け入れられなかったり、自分に自信が持てなかったりして悩む当事者は当然救われるべき存在です。

 

ただ、こうした言説を見聞きしてきた皆さんに、筆者から伝えたいことがあります。

 

 

同性愛者に生まれたら、苦しい人生しか歩めない?

 

同性愛者に限らず、社会的なマイノリティの権利獲得運動は、基本的には自分たちは社会的な弱者であることを強調し、自分たちの「被害者性」を一般社会に認めさせ、「被福祉対象者」として政府や行政などから援助を勝ち取るという理論にもとづいて行われてきました。

 

同性愛者の権利獲得運動も一緒で、社会保障や結婚する権利、教育現場での差別、同性愛者等への暴力など、自分たちの置かれた窮状を全面にアピールし、被差別者、被福祉対象者であることを認めさせるような運動が盛んに行われています。

 

確かにこの国では、偉い議員さんが「同性愛は異常」などという発言をしてしまうなど、まだまだ困った人たちが多いのは事実ですね。まだ幼く、自分のセクシュアリティに悩む思春期や青春期の子供たちを傷つけるような言動が許されてしまう点は、本当にどうにかしないといけない問題です。

 

 

次ページ>> >被害者を演じ続ける人生は辛い

 


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